オルロのカーニバルが数倍楽しくなる! 踊りの種類を知ろう
オルロのパレードには50もの踊りのグループが参加します。
また、踊りの種類はカーニバルに参加するグループだけでも
20種類近くあります。(ボリビア全体にある踊りの種類はもっと多いですが。)
事前にそれぞれの踊りの名前や特徴を覚えておくと、
一つ一つのグループの違いがわかってさらにパレード鑑賞を楽しめるでしょう。
というわけで、
ボリビアのフォルクローレダンスの中でも特に中心的なものをご紹介します。
学術的には所説様々なものもあるので、
一般的な見解のみごく簡単に書きます。
それぞれの踊りの由来や表現していることを知れば、
ただ何となくパレードを見るだけではなく、
もっと興味をもって一日中飽きずに鑑賞できるかと思います。
①モレナダ Morenada
スペイン入植時代に連れてこられた黒人の奴隷たちがテーマになっています。
踊りは鉱山などでの重労働の過酷さを表現し、
メランコリーなメロデイーを奏でるモレナダの楽曲は
奴隷たちの痛みや苦しみを表現しています。
踊り子たちが手に持っているマトラカという楽器、
回すとギギギッと硬くて重い音がしますが、
奴隷たちが歩くときに聞こえた鎖の音を表現しているそうです。
また、運ばされる荷物の重さで押しつぶされていた奴隷たちの過酷な労働条件は
モレノ(色黒の人)と呼ばれるモレナダの踊り子たちのステップ
(右左・前後にフラフラと揺れながら移動)や、
25kg以上もする重い衣装によって現わされています。
一転して女性たちは伝統的なチョリータパセーニャ
の衣装に身を包みます。(通常よりも豪華な仕様になっていますが。)
女性の踊り子たちにはいくつかのグループがあり
衣装の種類にも違いがあります。
②ディアブラーダ Diabrada
オルロを代表する踊りとして知られています。
様々なキャラクターが登場するディアブラーダの
テーマは「善と悪の戦い」です。
奇抜な色合いと金色の刺繍がされた衣装を身にまとうのは
大きな仮面をつけたルシファー(悪魔の遣い)、
それに7つの大罪(傲慢、色欲、憤怒、暴食、嫉妬、強欲、怠惰)の悪魔、
China Supay(女鬼)が続きます。
鬼たちと対峙するのは7つの美徳を持つとされる天使・サンミゲル。
ルシファーと戦い勝利した後にグループをリードしていきます。
熊やコンドルも登場し、
ディアブラーダは実にオルロのカーニバルを象徴する踊りです。
③ティンクス Tinkus
Tinkuはケチュア語で“出合い”を意味し、ポトシ県の北部で行われる
伝統的なイベント(通称「ケンカ祭り」)の名前です。
それは周辺の集落の農民たちが代表で殴り合いのケンカをするという
なんともショッキングな行事ですが、
致命的なケガを負うことはほとんどなく、流された血で
大地の女神「パチャママ」に豊穣を願う祈りが込められた伝統行事です。
(やっぱり正直に言うと、死者が出る年もあります。。
警察や集落の責任者たちが把握していないところで集落同士の衝突が起こると
収拾がつかなくなるため。。)
踊り子たちは、Tinkuで男たちがかぶるのと同じ
革で作られた戦いのヘルメット(La montera)をかぶり
どのグループもみな鮮やかな色の民俗調衣装を身にまとっています。
④カポラレス Caporales
60年から70年代にラパスで生まれた踊りとされています。
ラパスのユンガス地域に連れてこられた黒人奴隷たちの間で、
地主の信頼を得て働いていた奴隷頭(Capataz/Capo)達をモデルにしています。
男性たちはつばの広い帽子と鞭を手に持ち、
鈴のついたブーツを踏み鳴らしながら
力強いステップを披露します。
女性たちは短いスカートを大きく揺らしながら進みます。
大きな集団でシンクロしたステップを繰り広げるカポラレスのグループは圧巻です。
⑤トーバス Tobas
チャコ地方に定住していた部族Tobasを由来とする踊りであり、
グアラニー語でTovaとは顔、正面などの意味があります 。
アマゾンの野生動物の毛皮などを使った衣装に、
色鮮やかな羽根で飾りが施されています。
男女ともに軽快なジャンプをしながら進んでいきます。
⑥リャメラダ Llamerada
リャマ使い達の踊りです。
ボリビアフォルクローレの中でも最も古い発祥を持つとされています。
かつてのアンデスの男たちの生業を表現する踊りです。
アイマラの古い伝統的な民族衣装を模しています。
右手にはリャマを追う時に使うHonda(石のついた鞭のようなもの)を持ち、
左手にはリャマのぬいぐるみ。
リャマの絵がついた帽子が特徴です。
時々本物のリャマを連れてパレードに参加しているグループもあったりで、
アンデスらしいダンスグループです。
⑦クリャワダ Kullahuada
アイマラ族の、糸紡ぎや織物を生業とする人々をモデルとした踊りです。
特徴的なのは、男女ともにド派手な衣装と飾りのついた帽子。
手に持った糸車の飾りをステップに合わせてくるくると回しながら進んでいきます。
⑧プフリャイ Pujllay
チュキサカ県(スクレ)のタラブコ村(ヤンパラエス)の民族の踊りです。
踊りというよりも、行進に近く、歌ったり楽器を奏でながら進んでいきます。
スペイン領からの独立の戦い(1816年3月12日)で犠牲となった
毎年3月の第二日曜日にタラブコ村で行われる重要なお祭りが
このPujllayです。
同時に大地の女神パチャママに豊穣を願う儀式でもあります。
カーニバルのパレードでは、伝統的な民俗衣装そのままに、
美しい本物のタラブコ織りやヤンパラエス織りを身にまとった踊り子たちを
見ることができます。
(こちらは実際のタラブコ民族)
⑨ワカワカ WakaWaka
Wakaとは、ケチュア語・アイマラ語ともに「牛」という意味。
その名の通り、牛に扮した男の踊り子たちと、
牛乳缶を手に持った牛飼いの女性たち(Lechera)の踊りです。
女性たちの10枚近く重ねられた大きなスカートも特徴的です。
踊り子たちはこのスカートを左右に大きく振りながら歩いていきます。
⑩サヤ La Saya
アフロボリビアーノと呼ばれる人々がいます。
スペイン植民地時代にアフリカから連れてこられた黒人奴隷の子孫たちです。
今もボリビアにたくさん暮らしています。
彼らの奏でるリズムと踊りがこのサヤ。
そしてアフリカのリズムが融合されています。
歴史的な背景を何も知らなければ、
なぜ南米のボリビアにアフロ系の人がこんなにいるのだろう、
と思うかもしれません。
しかしながらアフロボリビアーノの人々はこれまで500年にわたって
ボリビアの文化や発展をともにつくってきた、
(ボリビアのインディヘナの民俗衣装を身にまとうアフリカ系移民)
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さて、ずいぶんと長くなりましたが、
より一層オルロのカーニバルが楽しみになったと感じてくだされば幸いです。
あらためて、ボリビア文化っておもしろいなぁと実感しています。
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